ニャート

旧「一橋を出てニートになりました」。出版社を過労で退職→引きこもり→派遣社員を経て、働き方や社会のあり方について思うことを書いています。

逃げたい人に「それは甘え」と言うより「短所をスルーできる戦略を考えよう」と言いたい

大学を辞めた。死ねない呪いと向き合う毎日。

これを書いた人(以下Aさん)に伝えたい。
この半年くらい、「つらい環境から逃げたい人はどうするのがベストか」について考えてきて、その過程で考えはいろいろ変わったが、いまはこれがベストだと思う。

20代なら、つらい環境から逃げ、自分の長所だけで生きていけるための力をつけること

30代以降はどうすればいいのか、今は分からない。
それを考えるのが「ブログのこれから、私のこれから」で言ったように、私の今後のライフワークである。

なぜ逃げた方がいいのか。
私は過労からパニック障害になったが、このような致命傷を抱えてしまうと、何年も回復できない。
つらい環境でダメージを貯めてはいけない。次の進路にすぐ移った方がいい。

「逃げるのは甘え」と言い切れないほど、それぞれが持つ長所と短所、許容量はちがう。
大学入学までは受験勉強だけできればよかったが、それ以降の人生は総合力を求められる。
たとえば、受験勉強ができる人よりもコミュニケーション能力が高い人、大きな長所があるけれど大きな短所もあるデコボコした人よりも、特に目立った長所や短所がない平坦な人の方が評価される。

短所ゆえに環境に適応できない人に投げられる言葉は、「逃げるな」「そんなの大して辛いことではない」「逃げていいよという人は無責任」といった精神論だが、その人を傷つけるだけで役には立たない。
さらに、短所が目立つだけなのに、まるでその人のすべてがダメかのように決めつけられることも多い。

もっと、「短所はスルーしていいんだよ」というアドバイスができるようになりたい。
鴨居まさね「雲の上のキスケさん 1 (クイーンズコミックスDIGITAL)」に、こういう会話が出てくる。

たとえば眉子って雨の日はつらくて動けへん体質やん?
そしたら雨の日休める仕事を考えるねん
ビルの解体業とか たとえばやたとえば

それは甘えてることにはならないの?

なるかいなアホやな異常やな

これを読んだときハッとした。
私もそうだが、雨の日や気圧が低い時に、頭痛がしたり体調が悪くなったりする人は一定数いる。
「雨が降ると仕事に行くのがつらい」なんてブログに書いた日には、「それは甘え」の大合唱でたぶん炎上するだろう。

だけど、「それは甘え」と責めても何も解決しない。
実際につらいのだから。
それよりも、そうした短所を回避できる戦略を考える方が、ずっと役に立つ。

落ちこぼれだった私が、プログラマとして企業を越えて自由に生きる「夢を叶える方法」

プログラマになるということ自体はとても簡単です。

特殊な資格が必要なわけでもないし、未経験でも雇用してもらえる企業も多くあります。不登校児でも、持病があっても、プログラミングを始めるのが人より遅くても、大学中退でもこの業界は寛容です。

Aさんの短所は(本人が言うには)「自己管理能力とコミュニケーション能力が高くはない」ことらしい。
Aさんは理系だろうから、プログラマを目指してみてもいいかもしれない。
一人で淡々と作業をできる時間が長いから、他の職種よりはコミュニケーション能力がいらないように思える。
自己コントロールがあまり上手くないと書いてあるので、作業量を決めてもらえるバイト等で、勤怠に融通がきく仕事を探すのはどうだろう。
実力がつくまでは焦って稼ごうとせず、小さい実績をコツコツ積み重ねていくのがいいと思う。

世間が認める幸せと、Aさん本人の幸せとは、必ずしも重ならない。
他人が何を言っても気にせず(難しいことだけど)、自分が一番ストレスを感じないような社会との関わり方を探してほしい。

雨の日がつらい体質だから、雨の日に休める仕事を探す。
そうした合理的な選択を、「それは逃げだ」「世の中そんなに甘くない」と批判する人もいるだろう。

世の中は甘くない。そんなこと、逃げたい人は言われなくても分かっている。
「世の中甘くないからお前も耐えろ」ではなく、少なくとも自分が手が届く範囲の世の中をどうやったら甘いままやり過ごせるか、を考えたい。

「考えが甘い能無し」と罵られてもいい。
弱い人がつらさをやり過ごして生きていけるよう、一緒に考えることができる人になりたい。

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東大女子を過労死させたり、京大専業主婦をもったいなくさせているのは日本社会

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子どもに学歴をつけたいと願う親

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息してるだけで月6万円かかる女を降りたい

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宗教は金を超えられるか(猫になりたい班)

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それはすごくいいなと思ったし、そういう役割を果たしているのは、宗教か家族くらいしか現実的には存在しないのかもしれない。

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手厚い福利厚生や、行事や飲み会、社宅コミュニティなどのコミュニケーションなど。
終身雇用が当たり前だったから、それ以外の「中間集団」が発達しなかったのかもしれない。
だから、その枠から外れる人(非正規など)が増えてきている今、受け皿が少ないのかもしれない。

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生きづらい人々の受け皿がプロブロガーしかない問題

「4ヶ月で大学を中退し起業します。レールに沿ったつまらない人生はもう嫌だ。」 という記事が、批判を受けている。

批判を受けている理由は、この部分に集約されているように思える。

探していると、ブログでお金を稼げることや実際に何百万も稼いでいる人がいることを知り、
「ブログで月商100万稼げる?大学生で100万稼いでいたらすごくないか?」
これなら自分にもできそうだと思いました。

あと、この学生さんが、はてなで有名な八木氏の率いる有料ブログサロンに入っているから、という理由もある。
八木氏は、ブログで月60万円を稼ぎ、月2700円~4320円+イベント参加費でサロン生に教えている(*一部訂正しました。文末参照)
そのため、「レールを降りたのではなく、もっと劣悪なレールに乗りかえただけでは?」と批判されている。

本題からずれるかもしれないが、「レールを外れたい」または「意図せずレールを外れた」人々の受け皿がプロブロガーくらいしかないことこそが問題だと思うので、今日はその話をしたい。

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