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ニャート

旧「一橋を出てニートになりました」。出版社を過労で退職→引きこもり→派遣社員を経て、働き方や社会のあり方について思うことを書いています。

あなたの給料は現在の1.72倍が妥当ですよ

派遣社員を直接雇用する方が得ではないのか?

派遣会社のマージン公開率に関する記事を書いたが、当然浮かぶのが、

「派遣会社の中抜き率が高いなら、派遣社員を直接雇用した方が、企業にとって得ではないか?

という疑問である。

例えば、派遣社員の時給が1200円だとしたら、企業は派遣会社に2400円払っている。
それなら、派遣社員を直接1200円で雇えば、派遣会社に残りの1200円を払わなくてもよい。

それについて考える前に、派遣会社がいかに儲かるかが一目で分かるグラフを紹介する。

全世界において、日本だけ、派遣会社数が突出している。

日本の派遣制度は、欧米のものとは全くちがう。後日書くが、日本の制度は、派遣先と派遣元だけが儲かる制度だ。

これだけ派遣会社が多いのは、儲かるから、だれもが派遣会社側になりたがるということだ。原発の除去作業が、多重下請けにより、東電が出した20000円のうち作業者には3000円しか渡らないように。

人件費は時給と残業代だけではない

人件費は、このように構成されている。

人件費は、残業代を含む賃金や賞与、退職金や福利費、さらに教育費や採用費までが含まれる。

引用元:人事マネジメント:「人件費の変動費化」をどう進めるか - 『日本の人事部』

人件費総額は、基礎となる「所定内賃金」の1.72倍となる。
つまり、時給1200円×8時間×21日=月給201,600円とすると、派遣社員を直接雇用するとかかる費用は、単純計算で346,752円になる。

日ごろ搾取されている身からすると、この数字を見てしみじみ思う。
「人件費は、本来ならこれだけコストをかけるべき費用なんだな」
「本来なら、これだけもらえるんだ」
これだけもらえたら、どれほど生活が楽になるだろう。

そして同時に思った。
「これだけかかるなら、企業が派遣社員を直接雇用するはずがない」

だが、元々、企業は派遣会社に403,200円払っているのである。
マージン40%で計算しても、336,000円。
マージン35%で計算しても、310,153円。
大手派遣会社のほとんどはマージン率を公開していないので(違法)、本当のマージン率平均値は分からない。
だが、マージン率が低いなら、宣伝のため公開するだろう。まして、法律で義務づけられている。
公開しないのは、後ろめたいところがあるから、すなわち高いからである。

派遣会社に高いマージンを払っても、潤うのは派遣会社の経営者だけだ。もっと安くていい、25万くらいでもいいから労働者に直接賃金を払えば、経済も潤い消費も伸びるのに。

そうしないのは、人件費を「固定費」ではなく、「変動費」にしたいからだ。
つまり、いつでも解雇できる、安い労働力がほしいからである。

りそな銀行の派遣社員が起こした個人情報漏洩問題だが、もちろん派遣社員本人が悪い。
免許証をコピーするなど非常に悪質だし、擁護するつもりは全くない。
ただ、解雇前提・搾取され放題の人材が、愛社心や忠誠心を持てるはずもなく、重い責任を期待するのはおかしいのではないかと思う。

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