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ニャート

旧「一橋を出てニートになりました」。出版社を過労で退職→引きこもり→派遣社員を経て、働き方や社会のあり方について思うことを書いています。

派遣会社にマージン率を電話で聞いてみた

派遣制度の闇 労働問題

派遣会社にマージン率(取り分)を電話で聞いてみた

みんなが大好き、ある派遣会社のHPを見ると、サイトをぐーっと下へスクロールして、一番下に小さく「労働派遣事業に関わる情報提供」の文字。

クリックすると、

労働者派遣法第23条第5項及び同法施行規則第18条の2第3項に基づく、労働者派遣事業に関わる情報提供につきましては、各派遣事業許可拠点において公開しておりますので、お問い合わせください。

と書いてある。どこに問い合わせればいいのかは書いていない。

「各派遣事業許可拠点において公開しております」と書いてあるんだから、電話すれば教えてくれるよね! ということで、問い合わせ全般を受けつけるダイヤルに電話してみた。

わざわざ住んでいる市から離れた市に行き、公衆電話から電話。

「はい、○○会社○○支店でございます」

「お世話になります。あの、突然で申し訳ありませんが、御社のマージン率を教えていただきたいのですが」

「弊社に登録されていますか?」

「はい」

「お名前をいただけますか?」

「名前をお伝えしないと、お教えいただけないのでしょうか?」

「そういう訳ではないのですが、いい機会ですので、お仕事などもご紹介できればと思ったものですから。担当に代わりますので、お待ちください」

「…お待たせしました。担当の○○です。マージン率をお知りになりたいとのことでよろしいでしょうか?」

「はい」

「弊社に登録されていますか?」

「はい」

「お名前をお教えいただけますか?」

「名前をお伝えしないと、お教えいただけないのでしょうか?」

「はい。ご登録状況や紹介できるお仕事など、スタッフ様の状況によって異なりますし、本社に確認を取る必要がありますので」

「それでは例えば、お仕事の応募前や決定後に、個々の仕事のマージン率をお教えいただくことはできるのでしょうか?」

「それはお伝えできません。それに、支社では対応を決定できないため、本社に確認を取らないといけませんので」

「御社のホームページでマージン率を公開していないのはなぜですか?」

「それは本社の方針ですので、支社では回答できかねます」

「ご丁寧にお教えいただき、ありがとうございました。失礼いたします」

……。あれ? 公開してないじゃん。教えてくれなかったよ!

何度も言うが、派遣会社のマージン率は、労働者派遣法で公開が義務づけられている。

そして、なぜかこちらの個人情報を求められ、提供してもその個人情報の内容次第で伝えるかどうかを本社に確認が必要というレベルで公開を渋るのは、やはりマージン率が高いからだろうと、思わざるを得ない。

派遣会社の仕事に応募するタイミングで、マージン率を聞けるか?

実際、派遣会社に登録して、仕事を紹介してもらうタイミングで、派遣会社の取り分を聞くことはできるだろうか?

私の経験から思うに、まず聞けない。

まず、派遣会社にはもう一つ、公然と許されている違法問題がある。派遣先と派遣社員の事前面接は、法律で禁止されているが、実は「会社訪問」という形で公然と面接が行われている

派遣社員として働くためには、二つの選考を突破する必要がある。派遣会社が行う社内選考と、派遣先が行う複数の派遣会社間での選考=「会社訪問」=面接である。

当然、派遣会社の担当者に「この仕事における、あなたの会社の取り分はどのくらいですか?」などと質問したら、まず社内選考では選ばれないだろう。
それどころか、「あのスタッフは厄介」というレッテルを貼られて、もう仕事を紹介してもらえないかもしれない。

「仕事を紹介する」という点で、派遣会社は圧倒的に優位な立場に立つ。

今回のこの電話も、東京の本社につながるかと思いきや、最寄りの支社につながったので、担当者が知っている人だったらどうしようと、とてもヒヤヒヤした。

こんな心配をすることなく、例えば、派遣の求人サイトに、個人情報など提供しなくてもだれもが見られる形で、マージン率も公開されている、そんな世の中にならないものか。

それは、派遣労働者の権利ではないのか。
法律でも、マージン率の公開は義務づけられているのに、なぜその状態が実現しないのか。

派遣会社が実は儲かってないなんてどうでもいい

この記事を読んだ方から、言及をいただいた。ありがとうございます。

労働者派遣事業って儲かるのかな - ゆとりずむ

だが、そもそも派遣会社は何のためにあるのだろう?

「限られた時間で働きたい」「責任を負いたくない」という労働需要があるなら、そういうポジションを企業が直接雇用すればいい。

企業が「いつでも解雇できる人材が欲しい」、その一念のみで派遣会社は存在しているように、私には思える。

もし、日本に派遣会社が一社もなかったら、少しは景気がよくなってきた今、直接雇用の求人ももっと増えているはずだ。

「派遣会社は、こういう費用が発生するから、実はそれほど儲かっていないし、派遣会社側の取り分は妥当なんだよ」

「じゃあ、派遣会社なんてなくせばいい」

私はそう思う。

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