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出版社を過労で退職→ひきこもり→非正規雇用を経て、社会のあり方について思うことを書いています。

稼げない「情報格差」|40歳働けない結婚できない私(4回目)

連載2・3回目は「自分の半生を振り返り、ダメだったポイントを分析する」ために学歴について振り返ったが、まだ自分の中で客観視できていないように感じた。

そのため、学歴と職歴の振り返りは一旦置き、今回から2〜3回分は「普通」のレールに乗ることをあきらめた今、自分が稼げない理由のひとつである「情報格差」「意識格差」などについて書いてみたい。

現状打開のヒントを含む情報にアクセスできない

私が陥っている「情報格差」とは、ネット情報のなかには、働けない稼げない私の現状を打開するヒントを含むものがあるのに、自発的に出合えていない状態のことだ。

テレビなどでは得られない情報を得るツールとして、SNSや知人などが挙げられる。

一般人のSNS利用率は2〜3割

一般人のSNS利用率はそれほど高くはない。

総務省「平成30年度情報通信白書」によると、2017年における個人でのインターネット利用率は80.9%。40〜49歳では96.8%。

同白書によると、SNSの利用率は、「積極的に発言+主に他人の発言を閲覧+他人の発言を閲覧のみ」を足すと、Twitter33.2%、Facebook31.0%、ブログ27.8%、掲示板20.0%など、約2〜3割。
この数字には高齢者層が含まれているので、実際には40代の利用率はもう少し高いだろうが、それでも5割はいかないだろう。

中高年ひきこもりのネットやSNSの利用率は低い

テレビのイメージ映像などでは、ひきこもりは「暗い部屋でネットをじっとみつめている」イメージで描かれがちだ。

だが実際は、内閣府「生活状況に関する調査(平成30年度)」によると、中高年でひきこもり状態にいる人は(同じ年代で)そうでない人よりも、ネットやSNSの利用率は低いという結果が出ている。

Webサイトの閲覧・書き込み:ひきこもり14.9% それ以外22.6%
SNSの閲覧・書き込み:ひきこもり10.6% それ以外13.2%

社会的つながりがないと情報を得るのが難しい

中高年ひきこもりのネット利用率が低いのは意外に思えるが、私(ひきこもり経験あり)自身のことを考えると納得できる。

ひきこもると、その時点で情報や価値観のアップデートが止まってしまいがちになる。

私はひきこもり期間に動画を作って投稿していたが、それは知人が動画ソフトや投稿者ネットワークの存在を教えてくれたからだ。まだYoutuber登場前の時代で、教えてもらわなかったら自分から出合うことはなかっただろう。

スマホが一般層にも普及し始めたのが2006〜2010年ごろ(iPhone登場は2008年)、Twitter(2006年開始)が一般層に爆発的に広がりだしたのは、おそらく2011年の震災以降だ。
そのため、2010年代より前にひきこもりを始めた場合、パソコンがあっても自主的にSNSを始めたりするのはハードルが高いように思える。

知り合いと情報交換できるなどの社会的つながりがないと、現状打開に役立つ情報に(何も知らない状態で)ネットで偶然に出合うのは難しい。(だから、SNSをやっているひきこもりの人は、それだけで社会復帰に近いところにいると思う。)

非正規雇用者には情報格差がある

社会的つながりがあっても、非正規雇用者は、社会が「普通」と想定している制度などから外れているため、情報格差や教育格差がある(教育格差については、後日別記事で取り上げる)。

在宅勤務など、柔軟な働き方についての情報が入ってこない

私が非正規雇用であったために、情報格差に陥っていた例をひとつ挙げる。

ひきこもり後にアルバイトなどを経て、派遣社員として外資系企業で働いたときのことだ。
在宅勤務をしている正社員に初めて出会い、強い衝撃を受けた。
業務はマニュアルの日英翻訳がメインで、それほどハードではない。家で働けて正社員の待遇を得ている。当時の私の理想形だった。

在宅勤務という制度自体はもちろん知っていた。
20代に働いた出版社(A社)では、制度はあったが使っている人を見たことがなかった。だから絵に描いた餅だとずっと思っていた。
つまり、在宅勤務についての私の意識は、20代で止まっていたのだ。

さらに今調べたら、近年A社の制度は進歩して使いやすくなっており、私が持病で苦しんだ当時にこの制度があったらどんなによかっただろうと絶望した。

私のように、働く過程で精神障害を発症すると、正規雇用からは外れてしまう。
結果、在宅勤務など、私のような人が助かる制度の対象外となり、制度の存在すら知らないまま、世の中の流れから取り残されてしまう。

自らを救う可能性がある情報にアクセスできない

非正規雇用でも在宅で働ける制度はある。
IT関係やライターなどの一部の職種がフリーランスや業務委託で家で働くのは一般的だが、一般事務のような職種でも、クラウドソーシング経由などで、家にいながら企業のアシスタントとして経理などの事務業務に携われる仕事はある。

(話がそれるので一言だけ、在宅勤務が魅力なのは正社員としての待遇を保持しつつ柔軟な働き方を享受できるからであって、非正規雇用では魅力半減になる)

ただ、これは一般的な40代のだれもが知っている情報ではないと思う。
もっというと、私がいま、低収入ながら家で自分のペースで働けるのはクラウドソーシングのおかげだが、「クラウドソーシング」もだれもが知っている知識ではない。

はてなブックマークを使っていれば、クラウドソーシングの知識は常識だろう。
しかし、リアルで会う人に職業を聞かれて、クラウドソーシングの説明を30人くらいにしたが、クラウドソーシングを知っている人はひとりもいなかった。この結果は、先ほどの統計でSNS利用率が2〜3割程度であることを思えばうなずける。

はてなブックマークとはてなブログをやっていたおかげで私が得た情報のなかで、現状を救うヒントになってくれそうなものは次になる。

  • クラウドソーシングで仕事がもらえる
  • ブログなどでアフィリエイトができる
  • noteで簡単に文章が売れる
  • Kindle(KDP)で自費出版できる
  • VTuberならおっさんでもロリ娘として配信できる
  • シェアハウス
  • ひきこもりやニートとして代表的な人の取り組み

上記の内容が「ネットで稼げる本」として1000円くらいで売っていたら、「知っていることばかりじゃん」と思うだろう。だが、私がはてなブックマークをやっていなかった場合、テレビや自発的な検索だけでは、上記の情報の一部にしか出合えていなかっただろう。

視聴者から10万単位で貢がれるライブ配信アプリの存在

この5年くらいで世の中が急速に進歩しつつある。私の情報意識は30代前半くらいで止まっており、ついていけていない。
そう強く思ったのは、あるライブ配信アプリ(あまりおすすめできないのでXとしておく)について知ったときだ。

ライブ配信アプリXでは、Youtubeで言うところの「スーパーチャット」(以下「投げ銭」)を月100万単位で稼いでいる配信者も珍しくない。

XとYoutubeとの違いは、Xでは投げ銭の金額を競うイベントを運営が高頻度で開催しているが、Youtubeはそうではない点だ。視聴者は、推しの配信者を勝たせたいために高額な金額を貢ぐことも稀ではない。つまり、AKB方式をライブ配信に導入したような仕組みだ。

視聴者から直接お金を受け取れる(何割か手数料は取られる)仕組みは、貧困に苦しむ就職氷河期世代の一部を救える可能性がある。しかし、次のような問題はある。

  • 他人から高額なお金をもらうことにどう向き合うか
  • 自らの不遇をコンテンツとする場合にどう向き合うか

(上記の問題は、次の記事「稼げない『意識格差』」で述べたい)

しかし、この問題に向き合う前に、そもそもライブ配信アプリXが存在するという情報自体を入手できないという問題がある。

私はXについて、1円ライターの仕事を通して知った。ふだんの私は、XやTikTok(これは稼げない)のような若い世代が使うアプリには全く興味がなく、自発的にXを知った可能性はほぼゼロだろう。

だが、10代〜20代の間では、Xはそこそこ知られているようだ。40代の私が情報の食わず嫌いをしている間に、若い世代は柔軟に情報を取り入れ、稼ぐ機会を増やしている。

まとめ

IT社会の進化により、就職氷河期世代の一人ひとりを救う可能性がある情報が発信されているのに、その情報自体にアクセスできない『情報格差』に(私は)陥っているため、下の世代との格差がますます進んでいく。

(言うまでもないと思いますが、下の世代を敵視しているのでは全くありません。次の記事は、この続きで「稼げない『意識格差』」になります)

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