ニャート

パニック障害で退職→ひきこもり→非正規雇用の氷河期世代。だめ人間が何とか日常を投げずに生きていくためのメモ書き。

救急車を呼ぶ前にできるたった一つのこと -救急車を有料化すべきか

救急車の有料化の是非

救急車有料化すべきか否かという議論が話題になっている。

救急車は有料化すべきか…搬送者ほぼ半数は軽症、緊急時の影響懸念 (産経新聞) - Yahoo!ニュース

--消防庁によると、救急搬送者のうち半分近くは軽症者が占めている

軽症者のために重症者を運べないようなら、解決策は2つ。救急車の台数を増やすか、軽症者に遠慮してもらうか、だろう。ただ搬送前に軽症か重症かを判断するのは難しい。事後判断で、軽症者に料金を請求するシステムはあり得るだろう。原則無料に価値があることは強調しておきたい

近年、軽症なのに救急車を呼ぶ人が増えており、救急車や病院が対応できなくなっている。
そのため、外国のように救急車を有料化して費用を徴収することで、気軽に救急車を呼ぶ人を減らす効果を狙っているようだが、患者が自らを軽症かどうか判断するのは、なかなか難しい。

実際に2011年には、山形大学生が救急車の出動を断られた後に死亡して、訴訟(裁判)になった事件もあるのだ(2015年に和解したため、判決はなし)。

救急車出動せず大学生死亡、遺族側と山形市が和解へ:朝日新聞デジタル

軽症で救急車を呼ぶのも申し訳ないが、かと言って、自分では軽症と思っていたが、実は重症であっても困る。
昼間ならタクシーで病院に行けるが、特に夜間の一人暮らしでは不安に思うことも多い。

そんな時にするといい、救急車を呼ぶ前にできるたった一つの簡単な方法。

救急相談センターに電話しよう

119に電話する前に、救急相談センター「#7119」に電話しよう。

もちろん24時間年中無休。全国どこからでも#7119でOK。

救急相談センターでは、症状を相談して緊急性があるかどうかを相談できる。
そして、緊急性がある場合は、そのまま救急車が出動してくれる。

それ以外にも、小児救急電話相談は「#8000」、精神病なら、各都道府県の精神科救急情報センター(電話番号はネットで検索)もある。

あと、時間のある時に、自分と家族の病歴やかかりつけの病院、飲んでいる薬を一覧にしておくと役に立つ。
自分は分かるかもしれないが、家族が飲んでいる薬までは、普段は把握できていないことが多い。
同様に、自分が倒れた時に、自分の普段の状況を家族は分かっていないことも多いので、一覧にして保険証と一緒に、家族みんなが分かる場所に置いておくと便利だ。

また、民間の救急車サービスも存在する。

医療行為や救急走行はできず、時間と距離に比例した料金が発生するが、思ったほど高くはないので、必要なら検索してみてほしい。

パニック障害で救急車を呼んだ体験

私は、人生で一度、救急車を呼ばれたことがある。

会社で、午後9時頃、外出から帰ってきた後にパニック障害の発作を起こして倒れた。
これが初めての発作で、当然ながらその時は「パニック障害」という病名すら知らなかった。
突然、激しい動悸がして、胸が締め付けられるように苦しく、過呼吸を起こして倒れた。手も冷たくなり、顔も真っ青で、脈拍も異常に早い。
時間も時間だし、周囲も救急車を呼ぶしか対応できない。
だが、救急車で病院に運ばれた時には発作は治まり、心電図検査でも異常はなかった。

パニック障害とは、そういう病気なのである。
突然起こる動悸・頻脈・息苦しさ・胸痛・めまいなどの体の異常とともに、「このまま死ぬのでは」という強い不安感に襲われるが、その発作は長くても1時間程度で治まり、心臓に異常はない。

これは、救急車出動の統計上、間違いなく「軽症」にカウントされるケースだろう。
ただ、やはりその時は、自分も周りもその症状が軽症かどうかなど分からず、夜間だったこともあり、救急車が呼ばれてしまった。
自分がパニック障害と分かっていれば救急車など呼ばないが、これが初めての発作だったので、分かるはずもなかった。

その後の罪悪感はすごかった。
異常がないのに救急車を呼んでしまった、しかも会社で倒れたため上司に同乗してもらっている、何て恥ずかしい、申し訳ない…。
その時の気持ちを思い出すと、救急車の出動後に軽症だった場合は料金を請求される方が、私個人としては気が楽に思える。

ただ、少数だが飢え死にするような人もいる現在の日本で、救急車を有料化して費用を取ることで、貧しい人が死に際しても救急車を呼べない状況につながりかねないことを考えると、この問題の解決は本当に難しい。