ニャート

パニック障害で退職→ひきこもり→非正規雇用の氷河期世代。だめ人間が何とか日常を投げずに生きていくためのメモ書き。

個人情報を漏洩・流出させたら、損害賠償や処罰はどのくらい? 過去の事例より

りそな銀行の派遣社員が、芸能人の個人情報を漏洩した事件が話題だ。

最近では、ベネッセコーポレーションの個人情報漏洩問題も記憶に新しい。

もしあなたが、個人情報漏洩・流出してしまった時に受ける損害賠償処罰はどのくらいにのぼるのか? 過去の判例事例をまとめてみた。

宇治市住民基本台帳データ大量漏洩事件

1999年、宇治市から住民基本台帳のデータ入力を委託された業者の、下請け先のアルバイトがコピーしたデータを名簿業者に販売。
約22万人の氏名・住所・性別・生年月日などが流出。1件あたり慰謝料10,000円が認定。
流出したのは下請け先のアルバイトだが、宇治市が被害住民から使用者責任を問われて訴えられている。

TBC情報漏洩事件

2000年、TBCが個人情報を保管していたWebサイトが、アクセス制限なしで第三者が見られる状態になっており、P2Pといったファイル交換サービスに掲載され、世界中にばらまかれた。
約660万人の氏名・住所・電話番号・生年月日・職業の他、スリーサイズ・コース内容・身体に関する悩みなど、秘密にしたいごく個人的な情報が流出。
いたずら電話や迷惑メール、DMが送付されるなどの二次被害が発生した。
1件あたり、慰謝料30,000円+弁護士費用5,000円が認定。

Yahoo!BB顧客情報漏洩事件

2004年、BBテクノロジー(ソフトバンクBB)が、約590万人の顧客情報を外部に漏洩。
氏名・住所・電話番号・メールアドレスなどが流出。
1件あたり4,500円の慰謝料+ヤフーが自主的に配布した金券500円。

三菱UFJ証券顧客情報売却事件

2009年、三菱UFJ証券の社員(その後懲戒解雇)が約149万人の個人情報と約122万件の企業情報を、名簿業者に転売。
三菱UFJ証券では、70億円以上の被害が出たと主張。元社員は転売額35万円の弁済を申し出る。
三菱UFJ証券はそれを断り、元社員に損害賠償請求訴訟を起こす。元社員は懲役2年の実刑判決。
この事件では、被害を受けた顧客は三菱UFJ証券を訴えることはなかった。
三菱UFJ証券は、5万人に対し自主的に10,000円の金券を送付。

(2014年に起こったベネッセコーポレーションの個人情報漏洩事件では、約2895万人の個人情報が流出。500円の金券が送付。)

まとめ

宇治市の判決以降、個人情報の基本4情報(氏名・住所・性別・生年月日)を漏洩した場合、慰謝料は1件につき1万円が基準となっている。

TBCのように、流出した情報がすごく恥ずかしい内容で、しかも全世界に流出し削除不可能、二次被害も起きているのに1人あたり35,000円しかもらえないことが、少々意外であった。

また、今回のりそな銀行と似た業種であり、漏洩した個人情報の内容も似ているであろう三菱UFJ証券では、(判例はないが)自主的に被害者へ10,000円の送付で終わっている。

過去の判例は、何万人規模の実例であり、今回のりそな銀行のようなケースは今までには裁判沙汰にはなっていない。

今回もおそらく、りそな銀行の責任者が、被害にあった芸能人に個別にいくばくかの慰謝料を渡して謝罪をし、派遣社員は派遣元を解雇で落着するのではないだろうか(あくまで個人的な予想)。

上記のような過去の事例が起こった時は、まだそれほどtwitter(ツイッター)やfacebook(フェイスブック)は盛んではなかったが、今後は今回のりそな銀行のような事件が多発し、いつかは損害賠償も起こされ、判例も出るのかもしれない。

被害者と加害者、両方の立場にならないよう気をつけたいものだ。

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