トイアンナさんの「『普通の女』をやる月々のお値段が6万円」というツイートが話題になっていた。
時系列で見てみる。
美容室で髪切って、コンタクトつけて、まつげエクステ。これだけで4万円がすっ飛ぶってすごい。化粧もネイルもない標準装備なのに。現実世界のアバター高すぎでしょ。服代とかみんなどうやって捻出してるんだ。
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月15日
ざっと概算した「普通の女」をやる月々のお値段
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月15日
美容室(カット・パーマ) 2万
まつげエクステ 1万
ネイル 1万
化粧品買い足し 0.5万
衣料品1着買い足し 1万
ジム契約 0.5万~
息してるだけで6万円/月!
ちなみに化粧くらいしろとお叱りを受ける私の現美容コスト
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月15日
美容室 0.7万
化粧品買い足し 0.1万
衣料品1着買い足し 0.5万
ジム契約 0.5万
コンタクトレンズ 0.7万
それでも2.5万円/月かかる。頭おかしいぞこれ…?
なお私が知っている中で一番金かけてる女子は25~30万/月、ミニマムは私の2.5万/月くらいでした。30万の子はエステ、美容皮膚科あたりでズンドコ金額が上乗せされていました。
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月15日
とりあえず女子初心者として
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月15日
①まつエク初体験
②なんかすごそうなヘアサロン予約
③1dayコンタクト新調
④2,000円台のシャンプーに切り替え
⑤ジム再契約
までやったんですけど、お次はどうしたらいいかな。メイク教室?
「普通の女性」にかかる月々の金額を様々な調査から調べて合計してみました。母数や調査方法が違うのであくまでお遊び統計です。グレーは女性の1割以上5割未満が投資したものです。 pic.twitter.com/TjEkmU2jn4
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月15日
- トイアンナさんが「女子初心者」として女子力を上げるために、美容室に行き、眼鏡をコンタクトに変え、まつげエクステをつけたら4万円もかかって驚いた
- →「普通の女」をやるためには月6万円かかると計算した
- →トイアンナさん自身の美容費は月2.5万円
この「普通の女」というのは、彼女が目指している「女子熟練者」における「普通」であり、一般的な「普通」を指しているわけではないと思う。
なおトイアンナさんは、美容をモテのためではなく、「趣味」だと言っている。
今回のバズで「女は金がかかる」と発信すると「だから男に奢れって言うのか」と怒る人がたくさんいたと言うことは、常日頃から男は奢るものという重圧を感じて彼らも苦しいわけで…。さぞ苦しいだろうと思う。
— トイアンナ『恋愛障害』発売中 (@10anj10) 2016年9月22日
美容はモテのためじゃないと言い出す人も増え、男女問わず趣味として認知されますように。 https://t.co/x44Ag1cpmf
ここまで整理した上で、この「女という趣味は金がかかる」という話に私が過剰反応しているのは、顔出ししているブロガーが容姿を叩かれているのをよく見るからだ。
はてなブロガーに、顔出ししている30代後半の女性がいる。
彼女は一般人としては十分に美しいが、それでも、重箱の隅をつつくような容姿への批判や、「初老BBA」と叩かれているのを見かけた。
ブロガーは芸能人ではなくただの人なのに、芸能人なみの容姿でなければ全て「ブス」と言われるハードルの高さに驚愕した。
これは完全に私の主観だが、男性における、女性の評価の優先順位はこうだと思う。
さっきの例だが、30代後半の男性が、JJI(じじい)と叩かれることはない。
さらに、「40代男性だけど、結婚するなら20代女性しか選ばない」とか「精子は劣化しないので、男性はいつまでも現役(実際は劣化する)」とか言う人もいる。
「10代女性は至高で、20代は許容、30代からは産廃」という極端な男性の意見もネットで見かける。
女性の平均年齢は87.05歳。
産廃になった後の50何年、どうやって生きていけばいいのか。
そんなふうに、男性が女性を見るときは、何をおいても年齢である。それを満たしてから容姿。
「10代のブスと40代の美人、結婚相手としてどちらを選ぶ?」という質問が象徴的である。
女性の評価には、出産年齢のリミットの存在が大きいので、めんどくさい。
「年齢」「容姿」を満たした上で、付加価値として「性格」「家事能力」が評価される。
その全てを満たした上で、あったらいいかな(なくてもいいかな)程度なのが、「収入」と「教養(学力含む)」である。
女性の知的努力は、評価においては報われない(自分の中では、絶対に報われるが)。
ブロガーにとって大事なのは「面白い文を書けること=教養」なのに、時にはそこよりも容姿が問われるのが、めんどくさい。
自分は重要視していない容姿への評価を気にして、女子力を上げなければいけないのが、めんどくさい。
だから、女を降りたい。
「私は女を降りたので、評価しないでください」と言いたい。
ナンシー関みたいになりたい。
いっそ、猫の着ぐるみでも着て、ゆめのくにのキャラクターになれたらいいのに。
役場に「女を降りました」と届出を出したり、「女を降りたので、評価しないでください」と書かれたTシャツを着てたりしたら、「あの人は女を降りたのだな」とそっと無視される世の中だったらいいのに。
女の部分を攻撃したら痛がるだろう、と思っている人たちの目に、自分が映らないようにしたい。
「気になるのは、だれよりもお前が、自分が女であることに囚われているから」と言われるだろう。
そう、私の自意識ごと、脱ぎ捨てたい。
恋愛もいらない。
私にとって恋愛は、「いつ現れるかも分からない人を待ち続ける苦痛」というデメリットの方が大きいから。
そして、息してるだけで月6万円かけないと、その可能性は下がっていくのだから。

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