中国のバブル経済は崩壊するのか?
2015年7月8日、中国経済のバブル崩壊の影響で、日本の株式市場が大幅に下落した。
7月7日までは何ともなかったが、7月8日に突如、日経平均は始値20282円から終値19737円へと、1日で545円も株価が大幅下落した。
理由は、6月からの上海株の暴落である。
6月12日の高値5178円から、7月8日時点の安値3421円まで、1ヶ月足らずで約34%下げている、つまり株の値段が3分の2になってしまった。
そのため中国は、7月8日時点で1429社の株取引の売買を停止、市場の約40%の株を凍結した。
そのほかに、取引停止以外の株の中で710銘柄がストップ安になり、売りたくても売れない状況となっている。
さて、中国経済のバブルは崩壊してしまったのだろうか?
それとも、これは一時的な下落で、また復活するのだろうか?
中国の外貨準備高が減少
中国のバブル経済成長が崩壊する前兆は、実は2つあった。
1つ目は、外貨準備高の減少である。
4月に中国国家外為管理局(SAFE)が公表したデータによると、2015年1~3月の外貨準備高は過去最大の減少を記録していた。
理由は、人民元相場を下支えするため、外貨準備のドルを売却したのではないかと言われている。
株高で資本流出「危機前夜」 外貨準備大幅減に人民元下支え観測 (3/3ページ) - SankeiBiz
「外貨準備高」とは、すごく簡単に言うと、為替が急激に変動しないように国が持っている外貨である。
例えば、日本の輸出企業が、外国に1ドルの製品を売るとする。
1ドル100円(円高)と1ドル120円(円安)では、円安時の方が儲かる。
だから、円安のままでいたい。
しかし、日本の輸出企業が輸出をすると、製品の料金としてドルが手に入る。
ドルを円に両替するということは、ドルを売って円を買うことなので、円高につながる。
日本の輸出企業が儲かり、ドルを円に大量に両替すると、大きく円高になってしまう可能性がある。
そうならないよう、政府が介入する時に使う資金が外貨準備高である。
さて、このグラフは、米ドル-人民元の推移を表すチャートである。
下にいくほど、ドルに対して上昇(元高)となる。
人民元は、2005年からドルに対して上昇し続け、外貨流入を呼び込んでいた。
だが、2014年1月(赤丸部分)に最高値1ドル=6.04人民元をつけてからは、下落を続けていた。
外貨準備高が減少したのは、人民元が下落しないよう、中国政府がドルを売って元を買ったことで、ドルが中国から出ていってしまったからだ。
中国の米国債保有額が減少
2つ目は、米国債保有額の減少である。
4月、米財務省が発表した2015年2月の国際資本統計で、首位だった中国の米国債保有額が、6年ぶりに日本を下回って2位となった。
米国債の保有額、日本が中国抜く 6年ぶり首位に:朝日新聞デジタル
これは、日本が増えたというよりも、中国が減ったのである。
1年前と比べると、中国:1兆2729億ドル→1兆2237億ドル、日本:1兆2108億ドル→1兆2244億ドルとなり、中国は1年間で米国債保有額が約500億ドル減少しているのだ。
この理由も、米国債を売って、人民元が下落しないよう買い支える介入に使ったためと言われている。
まとめ
つまり、外貨準備高と米国債保有額を減らしてまで、人民元を買い支えないと暴落してしまう「何か」があったのだと思われる。
そして、外貨準備高と米国債保有額とは、つまりはお財布である。
株高を引き起こす経済成長には資金が不可欠だが、人民元を買い支えたことで、単純にお金がなくなった。
中国の異常な株高バブルを支えていたのは、中国政府と個人投資家である。
お金がなくなった中国政府は、もう株を買い支えることができない。
そして、外貨準備高や米国債保有額が大幅減少していることから、海外投資家にも中国に資金がないことがばれ、今回の上海株暴落につながったのである。
さて、中国の個人投資家は、借金してまで株を買っていた。彼らがどこで借金していたかについては、下の記事をどうぞ。
中国経済を崩壊させた、給料5ヶ月分の借金をして株を買う個人投資家たち