ニャート

パニック障害で退職→ひきこもり→非正規雇用の氷河期世代。だめ人間が何とか日常を投げずに生きていくためのメモ書き。

トヨタ女性役員が輸入したオキシコドンとはどんな薬か【処方薬依存症】

トヨタのアメリカ人女性役員(6月30日に辞任)が、アメリカからオキシコドンを輸入したとして、逮捕された。

「麻薬を密輸」と書かれているニュースもあるが、この「オキシコドン」とは一体どんな薬なのか。

オキシコドンとは

オキシコドン(オキシコンチン)とは、鎮痛剤の一種で、アヘンの成分でもあるテバインから合成される。
癌性疼痛に使用され(つまり、末期ガンの痛み止め)、モルヒネの1.5倍の鎮痛効果を持つ。
依存性・中毒性があるため、日本では「麻薬」に指定されている
アヘン系の薬物なので、禁断・離脱症状は激しい。
アメリカでも日本でも、医師の処方箋がないと処方されない。

オキシコドン中毒者は、有名人などのセレブにも多い。
2009年に亡くなったマイケル・ジャクソンは、毎日オキシコドンとデメロール(直接の死因はこちら)を服用していた。
また、少し調べただけでも「クリミナル・マインド」や「CSI-マイアミ」などの有名ドラマの登場人物に、オキシコドンの中毒者がふつうに登場する。

つまり、それほどポピュラーな、中毒性を持つ処方薬がオキシコドンなのである。

リタリン -日本における合法覚せい剤

日本で、オキシコドンのような中毒性がある処方薬といって、パッと浮かぶのはリタリンである。

リタリンは、ナルコレプシー(睡眠障害)やADHDに処方される薬で、脳の中枢神経を興奮させる作用がある。
そのため、飲むとハイになってうつが吹っ飛び、寝ないで仕事もできるため、人気があり合法覚醒剤とも呼ばれている。

リタリンは処方箋がないと入手できないが、2002年頃から、インターネット上で不正売買されるようになった。
もちろん違法である。
さらには、不正に大量入手して逮捕された医者も何人もいる。プロも虜になるほどの覚醒作用だ。

アメリカで深刻化する処方薬依存症

このリタリンも、今回のオキシコドンも、アメリカでは世界保健機構(WHO)の規定により、「スケジュール2」という規制薬に分類されている。
「スケジュール2」には他に、ヘロインLSDが含まれることからも、リタリンやオキシコドンの危険性が高いことがうかがえる。

アメリカでは、処方薬の乱用や依存が問題になっている

どれくらい問題かというと、薬局などを狙う強盗が多発し、さらには、薬剤師が処方薬を盗む事態まで発生している。
日本ではまだ、薬局の強盗はほとんどないことから、その深刻度が伝わるだろう。

アメリカのメイン州で実施された調査では、盗難回数の23%が従業員によるものという結果が出た。
薬のプロが盗みたくなるほど、処方薬の依存度が激しいのか、または処方薬の転売がおいしいのか。

まとめ

今回のトヨタ女性役員の事件は、米国からオキシコドンを送ってもらうという行為が違法行為ということを、どこまで認識していたかが焦点になるだろう。

「何も知らなかった」という可能性もあるかもしれない。

実際、2015年2月に、日本に住む米国女性が、ずっと使っていた多動性障害の薬「アデラル」を米国から日本に送ってもらったことで逮捕されている。
この薬は、アメリカでは合法だが、日本では違法である。
発達障害の米女性、母親から送られた治療薬で逮捕 “信じられない…” | ニュースフィア

だが今回のケースは、日本でいえばリタリン並みに(悪い意味で)有名な薬を輸入することが法律に触れるかどうかを、華麗なキャリアを積んできた大企業の役員が何も考えなかったのは、少々うかつだと思う。
単なる誤解なら、早く真相が明らかになるといいが。

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