ニャート

パニック障害で退職→ひきこもり→非正規雇用の氷河期世代。だめ人間が何とか日常を投げずに生きていくためのメモ書き。

「ブログに好きなことを書いたら稼げる」って嘘だよ

「ブログを書いていても、自分は成功者になれないから、しばらく休む」という、Aさんの記事を読んだ。
(ここで紹介してAさんを傷つけたら嫌なので、リンクは貼らない)

文中に「好きなことを追求しろと成功者は言うが、好きなことなんてない」という記述がある。
この「好きなことを追求すれば稼げる」、これは条件つきの「好きなこと」なんだけど、意外と誤解している人がいるので、ちょっと書いておく。

PV数を公開している人はビジネスブロガー

はてなでは、「ブロガー」という言葉の中に、「稼ぐためにブログを書いている人」と「損得なしに好きなことを書いている人」が常にごちゃ混ぜになっていると思う。

この2つを区別した方が、話は分かりやすい。

稼ぐためにブログを書いている人は、たとえ個人でも、ビジネスとして書いている。
プロフィールに「毎月〇万PV」と書いていたり、収益報告記事を書いたりするブロガーを、「ビジネスブロガー」とここでは呼びたい。

実際は、「稼ぐために書いている時と、損得なしに好きなことを書いている時のどちらもある」という人が大半だろう。
そういう場合は、稼ぐための記事数が全体の5割を超えていたら、ビジネスブロガーとここでは考える。

損得なしに好きなことを書いているブロガーは、「ポエムブロガー」とここでは呼びたい(何でポエムなのかは後で書く)。

ビジネスブロガーがポエムブロガーのふりをするから混乱する

私は、ビジネスブロガーを批判するつもりは全くない。

例えば、家から出られない引きこもりが、もしブログで稼げるとしたら、それは大きな救いになる。
だから、稼げる人はどんどん稼げばいいと思う。

だけど、ビジネスブロガーの中に、ポエムブロガーのふりをする人がいるのは、混乱の元だと思う。
PVと収益を公開していて、アフィリ記事が全体の9割超えなのに、「好きなことを書いていたらたまたま儲かった」と言うような人々だ。

物慣れた人なら、それが真実ではなくポーズだと分かっている。
だが、それが真実だと思う素直な人もいるようだ。
そして、「自分も好きなことを書いているのに全然稼げない」と悩んでしまう。

なぜ好きなことを書いても稼げないのか

では、なぜ好きなことを書いても稼げないのだろう。

これは簡単で、「好きなこと」というのは条件つきだからだ。

例えば、月に10万稼ぎたいとする。
ブログに貼れる広告には、クリック課金型と成果報酬型(アフィリエイト)がある(もっと種類はあるけどここでは触れない)。

クリック広告は、だいたいPVに比例する。
たぶん、月にYさんが片手の半分くらいは、ポエムブロガーでもいけるかもしれない。
だけど、クリック広告だけでYさん2桁と考えると、最低でも〇〇万PVは必要に思える(根拠のない仮定です)。

〇〇万PVというのは、明確に検索を意識して記事を書かないと到達しない数字だ。
だから、好きなことを書くといっても、「(他人が検索するような)好きなこと」に限定される。
そして、好きなように書いてはダメで、SEO用のテンプレに沿ってキーワードを散りばめないとならない。
この時点で、好きなことであっても、好きに書ける要素は薄くなる。

さて、〇〇万PVは難しいから、クリック広告とアフィリエイトを合わせて10万稼ごうと考える。
そう考えると、報酬が大きいものを売りたくなる。

例えば、去年の年末まで、Aから始まるあるサービスは、1人無料契約させるごとに3,000円もらえた。
この場合の「好きなこと」は、「(そのサービスの中での)好きなこと」に限定される。

これらが「好きなこと」かといえば、まあ、好きなことではあるだろう。
だけど、ポエムブロガーの「好きなこと」、つまり好きなタイミングで書き殴る心の叫び、とは明らかに違う。
(この感じを伝えたくて、ポエムブロガーという呼び方にした。蔑称ではなく尊称)

ビジネスブロガーの「好きなこと」というのは、「(稼げるタイミングで、稼げるジャンル内での)好きなこと」なのだ。
つまり、去年の秋から年末まで、Aから始まるサービスの記事をひたすら連発し、被リンクをつけるために互助会活動に勤しむという「努力」あっての、「好きなことを書いたらたまたま儲かった」なのである。

ブログのどこに楽しさと辛さを感じるか

繰り返すが、私はビジネスブロガーを批判したいわけではない。
それぞれ、向き不向きがあるのだと思う。

例えば、稼ぎたくても、稼げるタイミングで稼げるジャンルの記事を続けて書くことが苦痛なら、ビジネスブロガーはできない。
たぶん、稼げるビジネスブロガーは(文章を書く作業を離れ、儲けを生み出す作業として)そのことを楽しんでいて、そういう意味では「好きなことをしている」は真実なのだろう。

同じく、ただただ心の叫びを書き留めたいと思っても、ビジネスブロガーの収益報告を読んでいて辛いのなら、ポエムブロガーには向かない。
ポエムブロガーに向いているかどうかの最大のポイントは、「他人のことを気にせず、文章を書く自分に没頭できるか」だと思う。

つまり、ブログのどこに楽しさと辛さを感じるか、そしてそのバランスに、どういうブロガーを目指したらよいかの向き不向きがあると思う。

ブログを書いている人は、「ブログの何が楽しくて何が辛いのか」「自分はビジネスとポエムのどちら寄りなのか」「どんな人と付き合ったらよい影響を受けるのか」ということは考えておいた方がよい。
ポエムブロガーなのに、ビジネスブロガーと付き合って「今月は〇〇万PV〇〇万円収益でした!」に惑わされるのは不毛だから。

ポエムブロガーでもできそうな収益化

心のままに思ったことを書き殴るポエムブログでも、書評なら、ブログの雰囲気を壊さずに収益化できるかもしれない。

SEOテンプレ通りの書評やランキングは論外として、選んだ本や感想にその人らしさが出ている記事なら、ブログ読者が読んでも面白く、もっと読みたいと思うから。

まあ、ビジネスでやっている人以外は、ブログは楽しいから書いて辛かったらやめる(でも消さないで残しておく)でよいと思う。

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