ニャート

出版社を過労で退職→ひきこもり→非正規雇用を経て、社会のあり方について思うことを書いています。

就職氷河期世代どうしの分かり合えなさ

今日はただの私感です。

「無敵の人」とドットコムバブルと

「ロスジェネには『無敵の人』が大量にいる⁉︎ 日本にテロリスト集団が生まれる可能性におびえる……」というまとめを読みました。

私が言いたいことを既に言ってくださる方がいたので、引用します。

自分は無敵の人というスラングは好きではない。「敵が無い」のではなく「味方が無い」人に対してむごい言い草だと思う。

http://b.hatena.ne.jp/entry/366474040/comment/notomata

冒頭のまとめを作成した方は、多くの人に読まれて問題提起されることを狙って、煽り気味のタイトルをつけたのだろうとは思います。

だけど、まとめた人のはてなブックマークでのコメントを見る限り、自らもロスジェネだが(←このコメントは現在消えています)、ドットコムバブルの恩恵を受けたとあります。

つまり、自身は「無敵の人」ではなく、「無敵の人」を自分とは全くの別物として捉えているのでしょう。

運良く競争を勝ち抜けたからこそ同世代に厳しい

就職氷河期世代は1993年卒〜2005年卒なので、いろいろな人がいます。

最近、はてなブックマークでホットエントリーに上がったコメントを引用します。

まさに氷河期世代だけど、世の中に怒ってる暇あったらまずそこにある競争に勝ち抜けと思うけどなぁ。もう40代だから少し遅いけど諦めて厭世してても一文にもならん

http://b.hatena.ne.jp/entry/366437420/comment/i196

氷河期世代がつらいのは、「自己責任」「努力不足」「社会のせいにするな」「同情乞食をするな」と人格攻撃を受けることです。

(これについては、そうなるよう意図的に仕組んだ勢力があると思うので、7月以降ゆっくり検証していきたいです)

熾烈な競争と高い授業料を払って大学に進学しても、2人に1人しか就職できなかったことは厳正な事実であるのに。

そして、そうした攻撃は、他世代からよりも、同じ氷河期世代で勝ち抜けた人たちからの方が辛辣だと思います。

氷河期世代の価値観は古い

リアルな知り合いの氷河期世代(Aさん)と、話をした時のことです。

旧帝大では「官僚>>>民間就職」という価値観がありますが、Aさんや友人は飲み会で、官僚としてのポストと年収で互いを格付けしあっているそうです。仕事の中身は無視して。

私は(Aさんよりずっと年下ですが)同じ氷河期世代であるのに、そんな古い価値観が幅をきかせていることに驚きました。まるでマンガのように。

氷河期世代を救う仕組みが必要だと言われています。
ですが、法やシステムを作る側が、ポストと年収のみで人間を評価する価値観に囚われているのだから、どれだけ待っても仕組みなどできないでしょう。

また、Aさんはネットにそこそこ詳しく、「働かないで生きる」選択肢を提案しているブロガーたちの存在も知っていて、なぜかそのことを怒っていました。

Aさんは終身雇用が未来永劫続くことを信じていて、それを第一とした就転職活動を20代に勧めているようでした。

古い価値観に、脊髄反射で傷ついていた

私は、Aさんの価値観を「古い」と思いました。まるで団塊の世代のように。

何より、同じ氷河期世代が、終身雇用の存続を心から信じていることに驚きました。

この点は、Aさんと私の価値観がまっぷたつに分かれるところです。
私は、失われた20年の後は、おそらくAIなどによる産業革命的な激震が来るのではと思っています。

もし自分が20代前半の健康な東大卒男性(つまり就職先をいくらでも選べる存在)だったら、斜陽の国の終身雇用を信じて官僚になったり大企業に就職したりなどしません。
新卒で日本企業に2年ほど就職した後は、外国企業に転職します。
その後も、世界的に活躍できる人材になるために、転職を重ねていくでしょう。日本的な価値観は捨てて。

氷河期世代なら、鉄板と信じられていた大企業が続々と没落し、他の企業も人件費を削ったからこそ生き延びられている、そして削られたのは同世代である、と知っているでしょうに。

もちろん、Aさんが間違っていて私が正しいとは言えません。逆かもしれません。
だけど少なくとも、Aさんは自分の頭で考えていないと感じました。
就職氷河期時代に良しとされた価値観を無批判で信じ、高速で変わっていく現状に合わせてアップデートすることをしていないのです。

と同時に、(内容は書きませんがAさんのある発言に傷ついた)私の価値観も古いのだと今気づきました。

「職歴=全人格」とみなすAさんの古い価値観を、自分の頭で本当に正しいのか検証せず、脊髄反射で傷ついていたことに

価値観をアップデートして生きのびよう

もし、就職氷河期世代で苦しんでいる人たちが、同世代で勝ち抜けた人たちに今後勝れる事柄があるのなら、

「いかに価値観をアップデートできるか」

ではないでしょうか。

そして、来たるべき激動を今度こそ乗り切りたいのです、みんなで。

国や政治による氷河期世代の救済は期待できないでしょう。

同世代の勝者(政治家や官僚)が、敗者に手を差しのべることができるポジションに就いても、古い価値観によって「自己責任」と遠ざけられ、仕組みは作られないのではないでしょうか。

勝者は勝者だけのコミュニティにいるから、敗者がこの世に実在することを実感できないのだと思います。

「努力しても年収200万台の人なんて、本当に存在するのか」と思っている、いや、そんな疑問を抱いてそうした人の存在を思うことすら無いのではないでしょうか。

それならば私は、新しい価値観を模索しましょう。

「稼げる」かどうかが自分の全評価を決める価値観に抵抗し、稼げなくても誇りを持って生きていける価値観を創造して広めていきましょう。

【追記】
はてなブックマークで、「Aさんは自分だ」と主張している人がいますが、全くの誤解です。
Aさんは、大学のサークルの先輩の知り合いで、官僚です(主張している人は官僚ではありません)。
プロブロガーのI氏(著作があるので一般人でも知っている人はいる)や終身雇用についても、主張している人とは話したことがなく、何か勘違いされているようです。