ALS(筋萎縮性側策硬化症)とは?
ALS(筋萎縮性側策硬化症)とは、すごく簡単に言うと、筋肉が動かなくなる病気です。
発症から2~5年で寝たきり状態となり、人工呼吸器をつけないと、自力で呼吸もできなくなります。
原因不明であり、最新の治療法は確立されていません。
発症確率は1万人に1人以下の難病で、日本の患者数は8000~1万人です。
人間の体を動かす筋肉(随意筋)を支配する神経を、「運動ニュートロン(運動神経細胞)」と言います。
ALSはこの運動ニュートロンを侵すため、筋肉が委縮して動かなくなったり、やせ細ったりします。
ただ、知覚や自律神経は正常なままなので、寝たきりになって人と話せなくなっても、本人の意識はしっかりしています。
自律神経で動く心臓や消化器は正常に動きますが、呼吸器は自律神経と随意筋の両方で動いているため、病気が進行すると自力での呼吸が困難になります。
ALSを発症する年齢は?
2005年の調査によると、日本での患者の発症年齢は、男性は50~69歳がピーク、女性は55~74歳がピークであり、35歳以降から徐々に増え始めます。
ALSの初期症状とは?
初期症状は、2タイプに分かれます。
- 腕や指、足が麻痺する・筋肉が萎縮する・筋力が低下する
- 足の筋肉が突っ張っているのに、力が入らない(痙性歩行)
- 発音がうまくできない(構音障害)・うまく飲み込めない(嚥下障害)
- 顔や手足の筋肉が、ぴくぴくとけいれんのようにひきつる(筋線維束性収縮)
3のように、のどや舌の筋力が低下することを球麻痺といいます。
このうち、4の筋肉のけいれんや脱力は、慢性疼痛(原因がないのに痛みやしびれが続く症状)や慢性疲労でも見られる類似症状のため、1~3の他の症状と合わせて考えるようにしましょう。
ALSの診断基準は難しいため、気になる症状があるのなら、病院に相談しましょう。