ニャート

旧「一橋を出てニートになりました」。出版社を過労で退職→引きこもり→派遣社員を経て、働き方や社会のあり方について思うことを書いています。

私が尊敬した、失恋からの立ち直り方|苦しむことができる人は本当は強い

今日は、失恋から立ち直った友人に尊敬を覚えた話を書きます。

彼は、ある事情で恋人と別れた後、深く絶望していました。
私は忘れるように助言しましたが、そのための具体案が思いつかず、客観的に見ても立ち直るのは難しいかもしれないと思っていました。

それでも彼は、自分の力で、少しづつ立ち直っていきました。

彼は、「自分が得意なこと=ブログ」に集中するようになり、社会問題への意見や役立つ情報などを意欲的に発信していきました。
元々才能がある人なので、書く記事書く記事ヒットを飛ばすようになります。

そうして彼は、恋愛をする前の自分に戻って自信を取り戻し、次に自分がなすべきことを見つけることができたようです。

絶望したときの次の選択肢は、リスクの少ないものを選ぶ

彼を見ていて、失恋から立ち直るのには、新しく恋人を作るよりも「熱中できるものを他に探して、その中で自分を磨く」方がよいのかもしれないと思いました。

なぜなら、次の恋人とうまくいけばいいのですが、必ずしもそうなるとは限りません。
次もうまくいかなかったら、今よりも打撃が大きくなります。

勉強や趣味は、努力すればするほど(向き不向きによって割合はちがっても)確実に自分に返ってきます。
でも、人間関係はちがいます。
人間関係には努力は必ずしも反映されないし、自分でコントロールできる割合は少なく不透明です。
恋愛さえできれば幸せになれる、と思う人は多いですが、それは幻想ではないでしょうか。
不誠実な人とつきあえば、恋愛する前より不幸になることさえあります。

絶望したときほど、次の選択肢で失敗しないことが重要になってきます。次の失敗は致命傷となるからです。
ごく小さいことでよいので、スモールステップ式で確実に成功体験を積み上げ、自信をつけていくのがよいでしょう。
そのためには、リスクの大きい「新しい恋人探し」よりも、自らの努力が反映される「熱中できるもの探し」の方がリスクは少ないです。

人生にはどうしようもないことがある

人生には、どうしようもないこと、どうしても取り戻せないものがあります。

恋愛に限らず、関係が悪化した親や絶縁した友人など、「あの時ああしなければよかった」と戻れない過去を後悔したり、幸せだった瞬間を思い出して「あの時に戻りたい」と煩悶したり、苦しさは尽きません。

でも、経験や知人の事例を見ると、一度完全に壊れた恋愛は100%元に戻らないと思います。
理由は、恋愛は衝動が占める割合が大きいからです。

壊れたものは、つらく哀しいけれど忘れるしかありません。

いつか、恋愛時の幸福感だけを思い出せるといい

私も、8年つきあった恋人と別れた時は、とても打撃を受けました。

たとえば、苦しかったことをあえて何度も思い出したり、嫌いな人のブログやtwitterをわざわざ見に行ったりする経験が、だれにもあるでしょう。
それは、苦しい思い出や嫌いな人は、楽しい思い出や好きな人よりも「強い刺激」であり、脳は穏やかさよりも強い刺激を求めるからです。

でも、本当につらいと、絶対に思い出さないように脳がセーブをかけることもあると思います(私はその現象を「凍結」と呼んでいます)。
私にとって恋人との別れは、「強い刺激」を求めようとする無意識を凌駕するほどつらく、瞬時に「凍結」しました。

最近、19歳の時に彼からもらった手紙が出てきました。
あの時の多幸感を、一瞬で目の前によみがえらせてくれるようなものでした。

人を心から好きになることはとても難しくて、人生で何回も起こることではないと私は思います。錯覚も多いです。
だから、自分にそうした奇跡が起こったときに抱いた気持ち「だけ」をぼんやり思い出せるのは、いろいろあったけど、今はとても幸せだと思いました。
たとえ別れたとしても、そうした気持ちを一瞬でもくれた恋人に感謝します。

冒頭の彼も、別れて絶望するほど人を愛せるのは一種の才能なので、何年もたってから当時の幸福感だけを、細かい出来事は全て忘れたうえで、ぼーっと思い出せる日が来ればいいなあと思っています。

私は彼を尊敬している

私が彼に声をかけたのは、その弱さや迷いが人間らしくてとても魅力的だったからです。
でも、あの苦しい状況を越えて、立ち直るための歩みを一歩ずつ積み重ねていった姿勢には心から尊敬を覚えます。

私が魅力を感じた彼の「弱さ」は、実は「強さ」の裏返しで、だから惹かれたのだと気づきました。
人には悩める限度量があって、深く激しい悩みを抱えることができる人は、心がその刺激に耐えられるということであり、本当は強い人なのです。

これからも私に、その生きざまで希望を与えてくださいね。

(前回は、長く拙い小説を読んでいただき、ありがとうございました。近況報告はそのうちします)

氷河期世代です。母と俺を安楽死させて下さい。(短編)