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ニャート

旧「一橋を出てニートになりました」。出版社を過労で退職→引きこもり→派遣社員を経て、働き方や社会のあり方について思うことを書いています。

現在40歳以下の年金平均受給額は、月10万以下?!

ニュース 労働問題

2015年7月、「年金24万円では生活できない」という理由で、新幹線内で71歳の高齢者が起こした事件が話題になった。

年金は2ヶ月分が受給されるため、容疑者がもらっていた年金24万円は、月額に換算すると12万円である。
容疑者は、過去にどのくらい年金を払っていたのだろうか?

容疑者の職歴は、以下のようである。

同容疑者は以前、ギターなどを持って酒場などで歌う「流し」や、幼稚園の送迎バス運転手など職を転々とし、昨年まで清掃会社に勤務していたが、最近は定職に就いていなかったという。

引用:ヤフーニュース(現在はリンク切れ)

この職歴からは、厚生年金を払っていた時期は短い、もしくはなかったかもしれない。

年金制度の仕組み

年金制度とは、すごく簡単に言うと、このような仕組みになっている。

  • 自営業者(第1号)=国民年金(+国民年金基金 ※払っている場合)
  • 会社員・公務員(第2号)=国民年金+厚生年金(+厚生年金基金 ※払っている場合)
  • 第2号に扶養されている妻(第3号)=国民年金

厚生年金を払っている方が、年金は多くなる。
ずっと自営業の人と、ずっと会社員の人では、年金の差は4倍近くになる。

これまで、年金は25年払わないともらえなかった。
だが、年金機能強化法によって、消費税が10%になる時(2017年4月予定)から、受給資格期間が10年に短縮される予定である。

年金の受給資格期間を満たしていれば、65歳から年金がもらえるようになる。

現在の年金の平均受給額は、自営業者は月5万以下

厚生労働省年金局の「平成25年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、2013年時点で年金の平均月額受給額は、国民年金は月54,544円、厚生年金は月145,596円である。

さらに、厚生年金の受給権を持たない、つまりずっと自営業だったような人の国民年金の平均月額受給額は、月49,869円である。

つまり、会社員なら54,544円+145,596円=200,140円と、約20万円もらえる。
ずっと自営業だったなら、月5万円以下である。

今回の事件の容疑者は、流しなどの職を転々としていたことから、厚生年金を払った期間は短く、メインは国民年金だろう。
そう仮定すると、月12万円なら、意外にもまだマシな方なのだ。

年金月12万でどんな暮らしが送れる?

この記事によると、ずっと自営業だった夫婦(夫が月6万、妻が月6万、合わせて夫婦で月12万円受給)が、月12万円でやっていこうとすると、家計はこのようになる。

年金月12万・16万・20万円の夫婦の家計

年金が月12万でもこれならOK 「アフター会社人生」準備&建て直し大作戦

食費が月3万だと、1日あたり約1,000円、1週間で7,000円目安となり、かなり厳しい。
この記事によると、赤字が出ないギリギリのラインは、夫婦で年金月額20万円ということだ。

現在の40歳以下は、会社員でも年金平均受給額は月10万円以下?!

現在の高齢者でも、ずっと自営業者だった場合の年金受給額は少ないが、現在40歳以下の世代は、もっともっとひどい状況になる。

先ほどの年金平均受給額は、あくまで現在もらっている人の平均だった。
少子高齢化により、年金制度が崩壊すると言われている今後、現在の20~30代はいくら年金がもらえるのだろうか。

この図だと驚くことに、現在40歳以下で平均月収30万円の独身者は、会社員でも年金平均月額が10万円いかないのだ。

40歳以下だと厚生年金を払っていても月10万以下の年金しかもらえない

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毎月毎月、少ない給料から高額の厚生年金を払ってなお、10万いかないのである。

またこの図だと、50歳以下は従来の予想額より赤字にかかわらず、55歳以上がむしろ増えているのは、2009年から高齢者の年金受給額を減らす予定だったのに、結局減らせなかったためである。
そのため、さらに財政が悪化したツケが、若い世代に回ってきているのだ。

なぜ年金が減っていくのか -年金積立金の枯渇

2014年に年金財政検証が行われ、将来の年金財政がどうなるかをシュミレーションした結果が公表された。

結果は、簡単に言うと、日本経済が成長し続ける場合は、年金受給額の所得代替率50%をキープできるが、低成長の場合は、50%を割り込むというものだった。

現在の年金所得代替率は62%程度である。
50%というのは、現在の給付額より既に約2割も減っているのである。
日本経済が成長しても、現在の2割減の額をキープするのがやっとなのである。

さらに最悪のシナリオだと、2036年には所得代替率が50%を割り込み、2055年には現在130兆円ある年金積立金が完全に枯渇する(なくなる)と言われている。

年金積立金とは、まだ高齢化社会になる前、納められた年金のうち受給されなかった分(余り)を積み立てておいたものである。

この年金積立金は、GPIF(年金積立金運用ファンド)により運用されているが、近年は資産を増やすどころか、逆に毎年5~6兆円ずつ取り崩しているのである。

まとめ

このように現在40歳以下の場合、年金だけでは老後に十分な生活を送ることは難しいと予想されている。
そのため、貯蓄や投資などの「自分年金」の必要性が、よく(株などを買わせたい)金融機関で宣伝されている。

自営業者、フリーランス、派遣社員などの非正規労働者、アルバイトなどのフリーターは、現在の高齢自営業者よりもさらに不利な立場になることが予想されるので、何らかの対策をする必要がある。

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