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ニャート

旧「一橋を出てニートになりました」。出版社を過労で退職→引きこもり→派遣社員を経て、働き方や社会のあり方について思うことを書いています。

派遣会社のマージン公開率に思う -女性の貧困は自己責任か

派遣制度の闇 労働問題

派遣社員が責任の重い仕事をする矛盾

労働者派遣法改正案が話題となっている時期に、りそな銀行の派遣社員が、芸能人の個人情報を漏洩した事件が起こった。

派遣社員本人が悪いのは当然だが、「そもそも、派遣社員に個人情報を扱わせるのがおかしい」という論点もある。それについて、考えさせられる記事を読んだ。

個人の善意にあぐらをかいて劣悪な環境で働かせる「悪意」 - 斗比主閲子の姑日記

引用させていただくと、

重要な情報ならば、安い給料で働いている人間に個人情報を厳格に守らせるという善意に期待していいのか。その扱いをする人物は厳正に選び適正な形態で働かせるか、個人情報の扱いに関して厳格な仕組みを設けた方がいいのではないか、みたいに。

全くその通りだ。

りそな銀行の派遣社員に落ち度はある。それは間違いない。

ただ、個人情報を扱うという重要なポジションが、ほとんど低賃金の派遣社員やパートで構成されていること自体がおかしいのではないだろうか。
本来なら、責任が重いポジションに就く者は、責任にふさわしい身分と賃金が保証された正社員にするべきではないだろうか。

2人に1人が派遣社員という現状で、自己責任論はまやかし

2013年度時点で、女性の非正規雇用が占める割合は58%である。2人に1人。大学・大学院卒でも、36.4%は非正規雇用である。

派遣社員の議論になると、必ず出てくるのが「自己責任」という単語である。

「そのような待遇に堕ちたのは、お前の自己責任である」

この言葉は、言われた者の抵抗力を失わせる。このように、個人に責任を押しつけるのはとても簡単だ。

だが、国策として、現状のままでいいのか?
たとえ派遣社員であっても、安心して結婚・出産できる程度の身分保証と収入を与えることは、少子高齢化を食い止めるために真っ先に行うべきことではないのか?

派遣会社の約80%が、違法にマージン率を隠している

派遣社員の問題は多々あるが、どうしても言っておきたいことが1つある。
それは、なぜどこからも、派遣会社のマージン率(取り分を規制するという議論が挙がらないのか、ということだ。

ここに、非常に価値のあるデータがある。
派遣会社が公開している、マージン率ランキングだ。

陽月秘話: 人材派遣企業各社のマージン率一覧、及びその公開率

(↓マージン率一覧)

http://comlocation.net/wp/wp-content/uploads/2015/01/Margin-data-Ranking.pdf

マージン率は最高50%。つまり、給料の半分しか、派遣社員には入らないのだ。この国は、発展途上国のタコ部屋なのか?

だが、マージン率を公開しているだけでもマシなのかもしれない。マージン率を公開している派遣会社の割合は19.1%と、5社に1社の割合である。

ほとんど知られていないが、2012年の派遣労働法改正で、派遣会社は事業年度ごとのマージン率を公開することが、法律で義務づけられた
だが、5社に4社は法律を守っていない。違法である。

ほとんどの大手企業は、マージン率を公開していない。50%以上マージンを取っている可能性は余裕であるのだ。

一方、派遣社員が派遣会社と契約する時は、誓約書を何枚も書かされる。当然、個人情報を漏洩した場合は損害賠償する可能性があるという一文もある。

派遣社員に義務を求めるなら、派遣会社も法律を守るべきではないか。
個人情報の扱いという重い責任を課すなら、それにふさわしい待遇と給料を与えるべきではないか。

こんな当然のことも、「自己責任」という言葉に引け目を感じて議論できないのなら、何が先進国なのだろうか。

女性の2人に1人が、最高50%も給料を中抜きされた結果、貧困で結婚も出産もできない現在、「SHINE! ~すべての女性が、輝く日本へ~」「輝けないのは自己責任。SHINE(しね)!」と政府が本気で言っているように思えて仕方がない。

庶民同士が「お前が貧しいのは自己責任」と罵りあっている裏で、企業や政治家ばかりが安い労働力と裏献金で潤っている現状を変えるには、どうしたらいいのだろうか…。

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